2024 J1 第12節 東京ヴェルディvsジュビロ磐田/天国に手をかけてから地獄へ 悔しい逆転負け

サッカー

スコア

2-3

得点者:ペイショット、ジャーメイン良

順位

13位 4勝6敗2分 勝ち点14

得点18 失点17 得失点差+1

スタメン

前節スタメンの森岡陸が怪我なのかベンチ外。鈴木海音もU-23代表活動戻りでコンディションを考慮したのかベンチスタート。今日は鹿沼直生がCBを務める。さらに前節鹿沼が務めたボランチには植村洋人が入る。伊藤槙人も含めてCBの層が薄くなっているか。

4-4-2のミラーゲーム

磐田も東京Vも同じ4-4-2を採用したミラーゲーム。東京は2トップの片方が下りてきて縦パスを受けて、左右の味方につけて展開していく。東京は縦の距離をある程度あけて、2トップが下りてきてプレイするスペースを確保している。左右に振った後は人数をかけて磐田のSBの裏を取る。フィニッシュはサイドからクロスに複数人が飛び込んできてゴールを狙う。

立ち上がりの5分に早くも危険なシーンを作られて、ここはグラッサが倒れながら頭でCKに逃げる。

東京の布陣は比較的縦にスペースがあるので磐田はパスワークで前に進める。アタッキングサードまでには入れるが東京は中央の人数を揃えてシュートチャンスまで持っていけない。

ただ、5分のシーン以降は磐田が東京Vのゴールに迫るシーンが比較的多い状況が続く中、33分に試合が動く。

痛いPK

東京のCKの場面で翁長の蹴ったボールはファーに送られ、千田がヘッドで折り返すと松本昌也の腕に当たってPK判定。染野がこれを決めて、先行を許す。

町田戦のちょうど逆のような展開。ほぼ互角だが、やや優勢に進めていた町田がPKを取られて先行を許す。今日の磐田は同じような流れになってしまった。

41分に追加点を許す。またも東京のCKを染野の頭で合わせる。ドンピシャで合う。ここは川島が防ぐがこぼれ球を木村に詰められてしまう。

磐田のCKはゾーンで守りつつ、危険な選手にはマンマークを付けているようだが、染野にはマークがついていなかった。さらにゾーンで並ぶ磐田の選手たちの後ろのスペースにボールを送られ、下がりながらではあるが染野にフリーでヘッドをさせてしまった。

しかし、CKを蹴った翁長のキック精度は素晴らしい。先制のPKに繋がったCK2本も含めて的確に磐田のゾーンディフェンスの空いたスペースに蹴り込んでいる。

後半は高いクロスで反撃に出る

後半は頭から磐田は平川に代えて古川陽介が、東京Vはチアゴ・アウベスに代えて松橋優安が入る。

前半は磐田はアタッキングサードに入ってからゴール前の選手に足元へのパスを選択することが多かったが、後半は意識的に高めのボールを送るようになる。

ジャメとペイショットは空中戦には強さがあるし、東京はゴール前に人数をかけて守備してくるので足元でのプレイには時間もスペースもないので、こちらの方が得点の可能性は上がりそう。

狙いが当たり、54分に1点を返す。執拗に両サイドからクロスを送り込み続ける中で、左から古川がクロスを上げるとこぼれ球がペイショットの足元へ。これをペイショットがマテウスに反応されながらも決めきる。

2点先行されたことで冷静さを失い、プレイの精度も落ちつつあった磐田だが、早めの時間で1点を返して息を吹き返す。東京ゴールに圧力をかける。

ジョゼも投入して両サイドアタック

61分に西久保と松本を下げて、ブルーノ・ジョゼと藤原健介がIN。植村が右SBに入り、ボランチに藤原が入る。ジョゼは松本のいた右SHに入る。

67分に交代が当たり、右サイドでジョゼがスピードを活かして上げたクロスをに当たり勢いが弱まりつつ高いクロスになり、これが絶妙なボールになる。ジャーメインが後ろから入ってくる時間も作れて、高さ勝負の状況を作れた。ジャーメインがこの高さ勝負に勝ってヘッドをゴールに叩き込む。

ジャーメインはヘッドの後に相手DFの頭に顔をぶつけて心配されたが幸いプレイに戻れた。

70分に東京は翁長と林を下げて山見大登と山田裕翔が入る。

同点となったことで東京はもう一度得点を目指してギアを上げてくる。この後も右サイドからのジョゼのクロスは東京のゴールへ脅威を与える。

75分の植村が低い位置でボールを受けてボディフェイントで応対する山見を交わして縦にドリブルしたシーンは彼のスキルの高さを示した場面。交わした後も巧みなドリブルのコース取りで追いかけてきた山見を背中に置いて、たまらず山見は手で引き倒してしまう。彼は今日もボランチスタートしたり、ポリバレントな選手として今の磐田の戦術を支えている。

天国と地獄は紙一重

このFKをゴール前に送ると混戦の中で、千田の手にボールが当たり、VARチェックを経てPKを獲得。絶好の勝ち越しチャンスだったが、ジャメが蹴ったPKはマテウスの逆をつくものの枠を外してしまう。

83分には東京が選手交代。稲見と袴田がOUTして、綱島悠斗、齋藤功佑がIN。

両チーム勝ち点3を目指して最後の時間に力を振り絞る。

85分にマテウスがクリアしようとしたところをプレッシャーをかけたジャメにボールが当たり、上原が拾う。左サイドへ古川がゴール前に送るが森田が拾って前に蹴り出すと木村とグラッサの追いかけっこになる。スピード的に木村が上回っていたためたまらずグラッサがファウルで止めてしまいドグソで1発レッド。

ここはファウルをしなければ川島と1対1となり、失点の可能性がかなり高かったので致し方ない退場。惜しむらくは高くラインを上げて攻めた時のリスクマネジメントだった。

古川のクロスが入ったタイミングで最終ラインは東京陣内まで入り、両SBもかなり高い位置まで入ってきたが、中盤の選手の押し上げが中途半端になってセカンドボールへ関与できずに森田のキックを許してしまった。中盤はもっと早く押し上げてセカンドボールへ対応できるようにしたかった。また、最終ラインもこの状況を見て少しラインを下げて余裕を持って東京Vの2トップに対応できるようにしたかった。

勝ち越しのチャンスから数的不利へ。目まぐるしく戦況が変わり、天国に手をかけたと思いきや一瞬で地獄に落ちる崖っぷちに立たされた。

磐田は鈴木海音を藤原に代えて投入し、CBを補充する。守備時はジャメが中盤に入って4-4-1で守る。

苦しみのロスタイム13分

ロスタイムは13分。さらにここでペイショットを下げて小川大貴を投入。小川がボランチに入り、ジャメをトップに上げる。

磐田としては数的不利な中で長いロスタイムを耐えなければならなくなった。グラッサの退場を無駄にしないため、最低でも勝ち点1を持ち帰りたい。

しかし、願いは叶わず、98分に左サイドから突破されて木村に決勝点を奪われてしまう。

この後、勝ち越した東京の勢いが少し弱まり、磐田が前に出れるようになるが、シュートチャンスまで作れずに試合終了。

悔しい逆転負け

ジャーメインのPKで勝ち越しチャンスまで迎えていたので、非常に悔しい結果。そして、グラッサの退場に繋がったカウンターの場面は磐田が攻め込んでいたところからのトラジションで一気にピンチが作られてしまったので、サッカーの怖さも思い知らされる試合だった。

今日出た課題は2つ。

一つはCKの守備の仕方。ゾーンで守る状況で空いたスペースに蹴られた際に、誰がどう対応するかが整備されていないようだった。今日はファーとゾーンの後ろに蹴られたボールへの対応が後手になり失点へと繋がったので、こういったボールに競り合いに行く選手を決めておくべきか。

もう一つはカウンター時の押し上げとリスクマネジメントのバランス。一瞬の判断なので非常に難しいが、特に最終ラインの判断が重要になりそう。

一方で収穫としては2点先行されながら、追いついた点。それもCFのストロングを活かす高いクロスで狙った形での反撃が出来たこと。特にジョゼのクロスは精度も高く武器になることが改めて確認できた。古川も得点に絡んだが、突破力はやはり武器になるが、クロスの精度についてはもう一つレベルアップしたい。

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