2025 J2 第7節 ジュビロ磐田vsジェフユナイテッド千葉
今季全勝中の首位相手に3連勝を狙う
スタメンは前節と変わらず。3試合連続で同じ11人が先発した。
対する千葉はここまで開幕6戦全勝かつリーグ最多得点を上げている絶好調のチーム。当然昇格を争うライバルでもあり、追いかける磐田にとってここで勝つか負けるかはただの勝ち点3に留まらない意味を持つ。勝てば首位撃破で3連勝となり、首位争いに自信を持って絡んでいける。負ければ千葉の勢いはさらに増してしまう。
序盤で角の嬉しいプロ初ゴールが決まる
立ち上がり、ボールを保持して相手を攻略しようとする磐田と、それに対して連動した守備でボールを奪って縦に早い攻撃を狙う千葉のつばぜり合いでスタートする。
千葉はさすがの守備の連動性で磐田のビルドアップを追い込んでいく。各選手の距離感がよく、密集し過ぎず、離れ過ぎずいい形で守備布陣を敷いている。
しかし、開始5分で意外にも早い時間帯に試合が動く。最終ラインに前からプレスをかけた千葉に対して、松原后がDF裏へロングボールを送る。裏抜けした角が左サイドから切り込んで対峙する鈴木大輔をかわして右足一閃。これが決まって、角は嬉しいプロ初ゴール。
角は降りてきて受けたり、相手DFの裏抜けを狙ったりと様々なスペースを見つけていいタイミングで動き出して味方のパスを引き出す良さが持ち味。それがついにゴールという形で結果に現れた。
前半は主導権を磐田が握り続ける
千葉は陣形の距離感はいいのでショートパスで繋いでいくのはかなり難しいが、最終ラインが高く、磐田の最終ラインから裏のスペースへのロングパスが高いのポイントになっていた。
千葉の陣形の中でスペースが見つかればうまくショートパスも使い、このロングとショートの使い分けがバランスよくできていたため、磐田が主導権を握ることができていた。
右サイドはクルークスを角、上原、植村がサポートして千葉の守備を突破するシーンを作れていたが、左サイドの突破はやや少ない。倍井へのボールの入り方もあまりよくなく、敵のDFの寄せられてなかなか前を向いてプレイできない。倍井の受け方の課題なのか、周囲のサポートの課題なのか。
試合はこのまま1-0で前半終了。追加点は取れなかったものの前半は磐田としては80〜90点くらいのいい出来で終われたのではないか。危険なシーンもそこまで作られず、攻撃もある程度自分達のやりたい形は作れていた。
後半は千葉の圧力が強まる
後半立ち上がりは千葉が主導権を握る展開で始まる。千葉は前半より球際の激しさが増す。磐田は前半ほど思ったようにボール回しができなくなる。
千葉は奪ったあとの勢いもあり、磐田の守備が徐々に押し込まれていく。
今日も後半に守備で踏ん張りきれるかという展開になってきた。これでどうしても踏ん張りきれずに失点してしまい、敗戦もしくは勝てても僅差となってしまうことが多かった。今日はまだ1点しか取れていないので、余裕はない。
70分に角と倍井が下がり、佐藤凌我と川崎一輝が入る。
この時間あたりでのクルークスの守備の献身性が素晴らしかった。前からの守備も、下がってきての守備も豊富な運動量でチームを助ける。これにチーム全体が続いていきたい。
終盤、逃げ切れるか追いつかれるか
78分に鳥海、田中、椿が下り岩井琢朗、松田陸、杉山直宏が入る。千葉は今季、終盤で逆転ゴールを決めてきた試合がたくさんあるので最後まで希望を捨てずに攻めてくるはず。
80分にセットプレーから一度ネットを揺さぶられるが、ここはオフサイドに救われる。
磐田は直後に2枚替え、上原と植村を下げて金子大毅と為田大貴が入る。
残り10分を切って磐田が逃げ切るか、千葉が追いすがるか。
磐田もこれまでの仙台戦や富山戦のようなサンドバッグ状態で押し込まれるという流れではなく、何度か押し返してシュートシーンを作ることができていたのは改善が見られる点。ボールを奪ったあと、体力的にはキツいはずだが、そこで休まずに前に運ぶために選手たちが走り出せているのが大きな変化。
86分にペイショットを下げて、渡邉りょうが入る。
全選手が走り切って千葉に自由を与えない。
このまま1-0で試合終了。
今季ここまでのベストゲーム
追加点こそ取れなかったが、試合全体を通じて今季ここまでの試合でのベストゲームだったのではないか。
後半はいつもの通り守備に回る時間が増えたが、これまでとは明らかに異なり、守るだけでなく押し上げる、攻める姿勢も見せることが出来たのがチームとして前進が見られたのが良かった。
首位で今季ここまで6戦全勝中だった千葉を止めたのも自信を積み上げる意味でいい結果を得られた。今日は2位の大宮も敗れたので、上位を走るこれら2チームの背中を視界に捉えた。このまま上位にがっつり食らいついていきたい。