2025 J2 第4節 カターレ富山vsジュビロ磐田/守備の課題が露呈し、痛い連敗
スタメン
前節からの変更点は1箇所。前節負傷交代した川口に代わって植村洋人がスタメンに入った。
前節で連勝が2でストップし、仕切り直したいこの試合。
前節出た課題としては、後方からのビルドアップが機能しない場合の打開策とクルークスのクロス以外での攻撃パターンの確立。
富山が前節の長崎と同じ守備をしてくるとは限らないが、特に2点目の課題は自分たちで課題解決に取り組める点なので、工夫を見せたい。
インサイドのスペースを狙う
序盤、何度かCBからインサイドの高い位置を狙うロングパスを使っていたのはこれまでにあまりないボール回し。センターにポジションを取るペイショットとクルークス&倍井の両サイドが大きく外に引っ張っている間のスペース。ここをSBがインナーラップしたり、ペイショットが流れたりしてボールを受けて起点を作る。
21分に前線からのプレスが甘い状況で最終ラインが高いままでマークも不十分な状況で、最終ラインの裏に抜け出されて、富山の左サイド伊藤と川島の1対1の状況を作られる。ここは角度が限定されていたことと、グラッサの戻りも早く伊藤の選択肢を限定できたので、川島のセーブでことなきを得る。
今日は前節の長崎ほど攻守のインテンシティが高い展開になっておらず、そのせいか守備面ではやや詰めの甘い雰囲気があるのが気になる。
今日は松原が比較的高い位置に出ることが多く、そのサポートの効果で倍井がアタッキングサードでしかける数が多い。このフォーメーションはSBのサポートがWGのチャンスメイクに如実に影響を与える。右サイドでも植村のサポートでクルークスのチャンスメイクを増やしたい。
先制点はカターレ富山
32分に痛いミスから先制点を奪われる。
後方からのビルドアップでミスを誘われて、川島のパスをカットされ、ゴール前の松田力へ。川島もプレッシャーをかけるが松田はこれを落ち着いて決め切る。
ビハインドを背負った磐田だが、この後も倍井とクルークスがアタッキングサードでボールを受けて攻撃を仕掛けるが、中で合わずに決定的なシュートシーンは作れない。
中に人数は揃っているものの、富山のDFに跳ね返されてしまう。クルークス、倍井がクロスを上げるまで、時間を作れることでゴール前に人数をかけることができる反面、待ち構える形になり、相手もマークする準備ができてしまっている。ボールが入るタイミングで中の選手の動き直しに工夫が必要。
また、クルークスは切り返してからの右足クロスだけでなく時には縦突破も入れているが、倍井は縦突破が少ない。時にはスピードを活かして縦へ突破して、えぐって左足でクロスもトライしたい。
後半は角が攻撃に変化を与える
磐田は後半頭から選手交代。上原力也と佐藤凌我が下がり、金子大毅と角昴志郎が入る。金子がボランチに入り、角がトップ下を務める。
52分に植村がインサイドのスペースに縦パスを入れて、角がDFの裏に抜け出す。角はゴール前にパスを送るとペイショットが潰れ役になり、ゴール前でフリーの松原后がシュートするがバーの上へ。
角と佐藤の違いが出たいいチャンスシーン。角は佐藤よりも加速力があり、狭いエリアのスペースを突くのは角の方が可能性が出やすい。
前半よりもアグレッシブに富山ゴールに迫る場面が増えているので前半よりも攻撃に迫力出てきたが、反面、何度か磐田DFライン裏にロングパスを通されて攻め込まれる場面も増え始めている。攻撃意識だけでなく、ボールロスト後の早い守備への切り替えの意識も上げないといけない。
富山も60分に選手交代。伊藤と松田が下がり、碓井聖生と布施谷翔が入る。
角が広い範囲を動いてパスの受け手になり、攻撃の起点作りに貢献している。
70分に同点弾。植村が最終ラインから長めのボールをクルークスへ送ると、クルークスは角に落とす。角はドリブルで運んで左サイドの倍井へ繋ぐと、倍井は縦に突破してクロス。ここは弾かれるが植村が拾ってクルークスへ。クルークスが左でクロスを入れるとついにペイショットのヘッドがネットを揺さぶった。
後半は角を起点にアグレッシブな攻撃が続いていたので、これが実を結んだ。
早々に勝ち越しを許す
72分に両チーム選手交代。磐田は倍井と松原后を下げて、川崎一騎と為田大貴が入る。
しかし、74分に再び勝ち越しを許す。バックパスを碓井に拾われて、碓井は対峙するグラッサを切り返しでかわしてからのシュートを決められる。
奪われ方が悪かったのがすべてだが、一方でこれを決めきった碓井を褒めるべきか。
さらに80分にリードを拡げられる。セットプレイでDFとGKの間に入れられたボールを井上がすらして最後は神山が押し込む。
82分に磐田は中村駿を下げて渡邉りょうが入る。リスクを冒して攻撃の枚数を増やす。
リードが広がったこともあり、富山は守備を固める。角が使っていたインサイドのスペースが消されて攻撃の起点が作れなくなる。
このまま試合は1-3で終了。
攻撃に改善が見られつつも守備の課題が大きく露呈
開幕2連勝からの2連敗となってしまい、せっかくの開幕ダッシュの勢いが失われてしまいそうな残念な結果。
今日は自分たちの攻撃の課題に意識が向きすぎたか守備面での課題が出た。
流れの中でもセットプレイでも守備の緩さが見え、何度となく、富山の裏抜けを許し、危険な場面を作られた。
ただ、インサイドのスペースをついた攻撃の選択肢が増えた点と特にそのスペースをうまく使いトップ下の佐藤凌我以外のオプションとして角が機能したのは明るい材料。
開幕から4試合で6失点。今日の試合で3失点したのが大きいが、守備の安定感のなさは開幕戦から見えていた。川島のセーブに救われているシーンも多く、開幕戦以降は1点以上奪えていないこともあり、守備の安定も早急に解決しないといけない課題となっている。