【マッチレビュー】2023 J2第31節 ヴァンフォーレ甲府vsジュビロ磐田

サッカー

スコア

1-0
得点者:ジャーメイン良

順位

2位
勝ち点:57(16勝9分6敗)
得失点差:22(総得点:55、総失点:33)

出場メンバー(採点)

GK:梶川裕嗣(6)
DF:鈴木雄斗(6.5)、グラッサ(6)、
伊藤槙人(6.5)、松原后(6.5)
ボランチ:遠藤保仁(6.5)、鹿沼直生(5.5)
OH:松本昌也(5.5)、金子翔太(6.5)、
ドゥドゥ(6)
CF:ジャーメイン良(7)

交代出場:
古川陽介(4.5)、後藤啓介(5.5)、小川大貴(-)

フォーメーション

前節から4人変更。GK三浦龍騎から久しぶりの出場となる梶川裕嗣。最終ラインに鈴木海音に代わって伊藤槙人。山本康裕、古川陽介に代えて遠藤保仁と鹿沼直生。

三浦のシュートストップ能力は11試合負けなしの好調の要因の1つだと感じていたので、梶川との交代は驚きだった。

遠藤保仁が輝く前半

甲府は守備時には4-4-2の形になり、前線はウタカと三平が2枚でチェックしてくる。

ウタカは年齢的にも前から激しいプレスを長い時間かけるのは難しいはずで、結果、甲府の守備は前からというよりは構えて待ち受ける守り。

そういった相手には遠藤保仁は相性がよいはず。遠藤も年齢的に相手とバチバチ身体をぶつけ合うようなプレイは不得意。前線から激しい前プレスをしてくるチームは苦手だが、今日の甲府のような守備には、余裕を持ってボールを持ち、守備の穴をつくような長短のパスを繰り出せる。

さっそく前半の分に裏抜けしたジャーメインに遠藤のロングパスが入り、最後はサポートにきた金子がシュートを打てた。

磐田は守備時のジャーメインと金子の前からのチェックでボールの進行をうまく限定して、後ろの選手の守備ブロックで引っかけてボールを奪う。

これにより、甲府はウタカ、クリスティアーノ、松田陸といったJ1でも実績を残した選手たちがいるが前半は彼らの攻撃面での良さをほとんど出させずに試合を進めることができた。

36分はウタカに前向きでボールを持たれてその流れでCKを取られる。クリスティアーノのCKは蓮川のゴールになりかける。前半、危険なシーンはこれくらいだったが、ウタカやクリスティアーノのプレイのクオリティはさすが。

ジャメの先制点

攻め続けた磐田が先制点を奪ったのは43分。遠藤の右からのCKがジャーメインに合い、ヘディングをしっかり決める。遠藤のキック精度も素晴らしいが、ジャーメインのジャンプ力も素晴らしい。甲府のマンシャとほぼイーブンの競り合いだったが、ポジションの取り方、ジャンプのタイミングと対空時間など完璧だった。

甲府の長谷川が流れを変える

後半は開始時に甲府はクリスティアーノを下げて長谷川元希を投入。

この長谷川が中に入ったり、少し降りてきたりとスペースに顔を出して後方からのボールを引き出し、甲府の攻撃が活性化。

甲府はさらに55分に佐藤和弘に代えて中村亮太郎が入る。

60分過ぎ頃からは試合展開は前半と逆になり、甲府がボール保持し、磐田は奪ったボールで単発的な攻撃を繰り出す。

磐田は71分に遠藤保仁を下げて、古川陽介が入る。ドゥドゥがボランチに下がり、古川が左サイドに入る。

73分に甲府は三平と鳥海が下がり、武富孝介とジェトゥリオが入る。

76分にそのジェトゥリオが左サイドを抜け出してゴール前の武富へ折り返す。武富はターンしながら振り返りシュートを放つがうまくミートせず梶川の手の中へ。

後半の選手交代で完全に甲府ペースになってしまった。なんとか凌いでいるが、いつ決壊するかわからない展開。

磐田の踏ん張り

78分に松本昌也が下がり、後藤啓介がIN。後藤か1トップに入り、ジャーメインがトップ下、金子が右サイドに入る。

交代で入った後藤、古川もスプリントし、身体を張って流れを手繰り寄せようとするが、流れは変わらず甲府ペースが続く。

86分にようやく、磐田のボールキープで甲府の勢いを押し下げる。

88分に甲府は松田陸が下がり、関口が入る。磐田は89分に金子が下がり、小川大貴が入る。

ロスタイム7分のところまで凌いできた磐田。前節の敗戦を払拭するためにもこのまま勝ち切りたいが、試合展開は決して楽ではない。

95分、甲府の右サイドから関口がアーリー気味のクロスを送るとウタカがゴール前で胸トラップで収め、シュートを打たれる。ここは梶川がタイミングよく前に出て防ぐ。

最後にジェトゥリオにゴール前でクロスを合わせられるがゴール方向には飛ばせず。このまま、なんとか守り切って試合終了。

昇格に向けて立て直しの勝利

前節、首位・町田に12試合ぶりの敗戦。立ち直るためにも勝ち点3が欲しかったので、とにかく勝てて良かった。

前半いい形で折り返すことができたが、後半は相手の修正に対応しきれず、劣勢が続いたがこういった苦しい試合展開でも勝つことができるのが今季の磐田の強み。

長いシーズン苦しい場面は何度も訪れるので、踏ん張れるかどうかが大切なのでその良い部分が出た試合だった。

それにしても甲府の長谷川元希は素晴らしい選手だった。彼が入るだけで試合の流れを変えてしまった。スペースを見つけてそこにタイミングよく入り、ボールを受けた後も球離れも早く、チームを活性化していた。

磐田の選手も苦しい試合展開の時に彼のようなプレイで流れを変えられるとよいといういいお手本も見れた。

裏で行われていた首位・町田と3位・清水の試合は清水が勝った。これで町田とはまた勝ち点6差に戻った。追いつける可能性もある一方で3位の清水は勝ち点2差に迫っている。自動昇格圏を守るにはまだまだ厳しいシーズンが続く。

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