【マッチレビュー】J1第32節 ジュビロ磐田vs鹿島アントラーズ 

サッカー
【ジュビロ磐田×鹿島アントラーズ|ハイライト】明治安田生命J1リーグ 第32節 | 2022シーズン|Jリーグ

スコア

3-3
得点者  鈴木雄斗、金子翔太、杉本健勇

順位:18位
勝ち点:24(5勝9分け15敗)
得失点差:-24(総得点:28、総失点:52)

出場メンバー(採点)

GK:三浦龍騎(5.5)
DF:大井健太郎(5.5)、伊藤槙人(6.0)、
       リカルド・グラッサ(5.5)
ボランチ:山本康裕(5.5)、上原力也(5.5)
WB:鈴木雄斗(6.5)、松本昌也(6.0)
OH:金子翔太(7.0)、山田大記(6.5)
CF:杉本健勇(6.0)

交代出場:
山本義道(4.5)、松原后(-)

フォーメーション

先週、予定されていた清水エスパルスとの静岡ダービーは静岡の水害の影響で延期となり、磐田にとっては3週間ぶりの試合となった。

セレッソ大阪戦のメンバーをベースに、鈴木雄斗とリカルド・グラッサを先発に入れた。

鹿島は3日前に天皇杯を戦っており、甲府に敗戦。今季の無冠が確定し、岩政監督も再スタートの一戦と位置付けてこの試合に臨む。

例のごとく先に失点

6分、左サイドから松本と金子の連携で高い位置まで運び、左サイド低めの位置にカバーに来た上原へバックパスが繋がり、右サイドの鈴木雄斗へサイドチェンジ。鈴木は縦に仕掛けてマイナス気味のグラウンダーを山田が合わせてシュート、はGK早川が弾いたところを金子が詰めるが枠外。

攻撃時に人数をかけて攻めれていて、ゴールの可能性を感じさせる攻撃ができた立ち上がり。

しかし、先制は鹿島だった。10分に何度も鹿島の右サイドからボールを運ばれて、ゴール前のエレケに繋がる。エレケは後ろの樋口に落とすと樋口のダイレクトシュートはゴール左上すみに決まる。

鈴木優磨とエレケという2トップは自由にさせると怖いので、彼らへのマークが集中したところで、後ろからきた樋口へのケアの意識が弱かったところで、ハイレベルなミドルショットを決められてしまった。

三浦を責めるのはかわいそうなスーパーショットだったので、なんとかフィールドプレイヤーでチェックをかけて、プレイ精度を下げたかった場面だった。

もはや先に失点することは織り込み済みで考えねばならないほど、ここ数試合は先に失点してしまっている。

しかし、先制点を奪われた後も、磐田はゲームの入りと同様、複数人が絡んでボールを前進させて行く。失点直後に気落ちしてリズムを失い、相手にボールを支配されるようなことがなかったのはよかった。

まだ、時間帯も早かってので、点を取った鹿島も更にギアを上げるというわけでもなかったのも要因の一つ。

エレケはゴール前にどっしり構えるタイプのFWかと思ったが、ビルドアップにも積極的に絡んで、サイドに流れて起点にもなっていた。先制点の落としといい、連携プレイもできる起用なタイプなので、対峙するグラッサや大井は守り方に注意したい。

磐田の逆襲

30分に磐田が同点に追いつく。
最初は右サイドで鈴木雄斗、山田、伊藤でパス交換。鹿島の陣形が右によったところで、伊藤から松本へサイドチェンジ。松本は下がりながらボールをキープしてグラッサとワンツーして、前を向く。
松本はその間、縦に抜け出した金子に縦パス。これで、金子は鹿島の右SBの常本も裏を取り、CBの三竿を引っ張り出すことに成功。金子がグラウンダーの早いクロスをゴール前に送ると、杉本がニアに入って、キム・ミンテを引っ張るとその後ろに走り込んだ鈴木雄斗がダイレクトシュート。安西が鈴木のマークについていたが左右の揺さぶりの中でわずかにマークが離れてしまった。

ここでゴール前に入ってきていたのが右WBの鈴木雄斗。今日の磐田はポジションチェンジしながらもバランスよく人が動けている。
また、効果的にサイドの揺さぶりを織り交ぜてサッカーができている。

32分に勝ち越しゴール。バイタル付近で山本康裕からの横パスを上原がダイレクトで山田に縦にパス。山田は横にいた金子に抜け出しを促すような丁寧なパスを送る。金子はそのパスに反応して、マークについていた常本をトラップで置き去りにし、飛び出してきた早川も冷静に交わす。更にカバーに入ってきた三竿の逆をつくシュートでサイドネットを揺らす。

鈴木雄斗の得点の時もそうだが、高い位置で複数人が攻撃に絡みつつ、ポジションチェンジが激しいので、鹿島も非常に守りづらいだろう。

最後の形で前半を折り返す

前半の終盤になると、2点目を取って勢いの出てきた磐田のパス回しを鹿島が捕まえきれず、押し込まれる時間が増える。セカンドボールの回収も磐田の方が多く。鹿島は我慢の時間が続く。

前半アディショナルタイムには更に追加点。右サイドボックス内深い位置に侵入した山本康裕のクロスが三竿の手に当たり、PKを獲得。このボールを杉本健勇がきっちり決めて3点目。

そして、杉本は待望の磐田での初ゴールとなった。ここまで期待されながらもゴールがなく苦しい時間を過ごしていたが、そんな中でもエゴを捨てて味方のゴールをアシストするプレイ含め、フォアザチームを続けていた彼にご褒美が与えられた。

このまま、前半終了。今シーズン最もいい形での折り返しとなった。それもずっと勝てない時期が長かったライバル鹿島相手である点も選手たちに自信を与える。このまま、勝ち切ってこの自信を確実に持ち帰りたい。

鹿島の修正力

後半頭から鹿島はピトゥカと仲間を下げて、関川 郁万と松村優斗が入る。関川がCBに入り、三竿がボランチに上がる。松村は仲間のいた右サイドに入る。

47分に鹿島が1点差に詰める。
左サイド縦に突破した安西がクロスを上げる。ボールは流れて常本がシュート性のグラウンダーのクロスを入れるとエレケが合わせてゴール。磐田の攻撃同様、左右の揺さぶりによって守備を崩した。
やはり、簡単には鹿島は勝たせてくれない。

後半の立ち上がりは前半の終盤と試合展開が逆になり、鹿島がサイドチェンジを織り交ぜて磐田を押し込む。

鹿島は前半は2トップの足下への縦パスもしくはサイドに流れたところへのパスが多かったが、後半は磐田DFの裏への走り込みに合わせるパスも織り交ぜてくるようになった。

これで磐田最終ラインが下がることで磐田のコンパクトな陣形が広がり、鹿島の中盤の選手のプレイエリアができ始める。

60分、鹿島が更に2枚替え。和泉と常本が下がり、カイキと広瀬陸斗が入る。2人とも変わった選手と同じポジションに入る。

その後も鹿島がやや優勢で試合が進み、磐田は時折単発的な攻撃を加えるに留まる。

70分にはエレケがアクシデント気味に交代となり、エヴェラウドが入る。鹿島はこれで交代枠を使い切る。

試合の最終盤は防戦一方

75分にCKの流れから鈴木雄斗のミドルシュートがゴールバーを叩く。なかなか攻めれなかった磐田だが、ここに至る攻めの起点も金子、山田だった。金子の裏抜けに合わせたボールから高い位置でボールをキープし、何度かクロスを入れる流れの中で最後は鈴木雄斗のシュートに繋がった。

金子、山田は押される試合展開と1点リードの状況も踏まえて、無理せずボールを切ったり、CKを取ったりとチームを落ち着かせるプレイチョイスをしながらチャンスを伺う。

81分にグラッサを代わり、山本義道が入る。これはコンディション的な問題か。グラッサは今日はサイドに流れてくるエレケとのマッチアップで互角に近くやり合い、チームを助けていた。

83分に三浦のスーパーセーブ。樋口のCKからエヴァラウドの叩きつけるヘッドが磐田ゴールを襲うが、合わせにくいボールを体制崩しながらも三浦がかき出す。

85分に金子を下げて、ジョーメイン良が入る。

残り時間5分とロスタイム。押し込まれる展開の中でチームの底力が試される。今日の試合、勝ち点1では残留に向けてはかなり厳しいので、勝ち点3が必要。

前半と違い、ボールを奪えてもチーム全体で押し上げられず、鹿島にボールをすぐ回収されてしまう。体力的なものもそうだし、リードしてることもあり、なかなかここは押し上げのバランスは難しい。

92分、無情な同点ゴール。
左サイド奥に放り込まれたボールを松本と広瀬がもつれながら奪い合う。倒れ込みながらボールを制したのは広瀬。広瀬がゴール前に送ったパスにエヴァラウドが合わせてゴール。

松本は後ろから押されたような形になったので、ファウルを取ってもらえると思ったか、最後の執念が広瀬に上回られた。

この球際のこだわりが鹿島の強さに繋がっている部分だし、磐田がいいサッカーをしていても勝てない大きな要素かもしれない。

絶望的なドロー

絶望的なドロー。そう言ってもよい結果。あと3分というところまでリードしていたのもあるし、残留を争うライバルたちは清水を除いて軒並み勝ち点を重ねた。

清水は負け、京都は引き分けたが、湘南、G大阪、福岡、神戸は勝利を収めた。16位福岡との勝ち点差は9。

残り試合数がライバルたちより多いことだけが唯一の救い。他チームはほとんどが残り2試合の中、磐田は4試合残っている。

しかし、現実的には16位に入って、プレーオフで残留を目指すべきかもしれない。

ただ、今日の試合内容はあと一歩まで鹿島を追い詰めたといえるし、前半はゲームをある程度支配できていた。
この試合内容を続けていけば勝ち点に繋がっていくと思えるがかなり時すでに遅しに近い状況。

次節、優勝目前のマリノス相手に勝ち点3を上げられれば奇跡の可能性も出てくるが。。。

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