【マッチレビュー】J1第26節 名古屋グランパスvsジュビロ磐田 

サッカー

スコア

0-1
得点者  –

順位:18位
勝ち点:22(5勝7分け14敗)
得失点差:-20(総得点:23、総失点:43)

出場メンバー(採点)

GK:三浦龍騎(6)
DF:小川大貴(5.5)、伊藤槙人(6)、山本義道(6)
ボランチ:山本康裕(4.5)、遠藤保仁(4)
WB:鈴木雄斗(4.5)、松本昌也(5)
OH:上原力也(5)
CF:大津祐樹(4.5)、金子翔太(5.5)

交代出場:
大森晃太郎(5.5)、鹿沼直生(5.5)、杉本健勇(5)、
ファビゴン(4)、ジャーメイン良(4.5)

フォーメーション

前節終了後、伊藤彰監督が解任されて渋谷洋樹コーチが昇格という形で監督に就任。監督交代直後の最初の試合は非常に重要になる。

今シーズン残り9試合。ここから連敗に入れば残留圏から離れていき、巻き返しが効かなくなってしまうので、渋谷監督は毎試合結果が求められるような厳しい状況。

それを考えると戦力や課題の見極めが必要になる外部からの監督招聘ではなく、内部昇格しか選択肢は元々なかったかもしれない。

スタメンには三浦と山本義が復帰。それ以外は前節も起用されたメンバーが並んだ。


守備時は5-4-1、攻撃時は3-4-2-1で並びは伊藤監督時代と同じやり方でスタート。

伊藤監督時代は攻撃時の右のシャドーは上原が務めて山本康裕がボランチに入っていたが、渋谷監督はこれが逆に配置した。

遠藤保仁と上原力也でダブルボランチを組み、右のシャドーに山本康裕が入る。守備時の並びでは山本康裕は中盤4枚の1番右に入る。

序盤は守備バランスの良い入り

名古屋は1トップに永井謙佑を置いて、磐田DFラインの裏を狙う動きを細かく入れる。磐田のDFラインも細かなラインコントロールで対応する。

永井のケアを気を取られて磐田の最終ラインと中盤の間が空いてしまうとそのスペースをマテウスや重廣、稲垣あたりが使ってくる。

ある程度守備を安定させつつ、マイボールになると細かいパスを繋ぎながら攻め込むが、名古屋の守備で前線へのパスが乱れて、ボールをロストする形が続く。

残酷なスーパーゴール

どちらかというと安定して試合に入れたところ、19分にマテウスのスーパーゴールを喰らう。名古屋の右サイドを駆け上がる森下がマイナスに折り返して、永井がシュート。ここは三浦がナイスセーブするが、こぼれ球を拾ったマテウスが左足一閃。ワールドクラスのコースとスピードで先制点を奪われる。

これを決め切るマテウスも素晴らしいが、こぼれ球を拾ったマテウスに寄せた上原のプレッシャーも弱かった。マテウスが切り返してドリブルする可能性もあったので、寄せ方は難しかったが、いかにこういったシーンで相手のプレー精度を下げるようなプレッシャーをかけられるかが、勝敗を左右する。

この後は磐田が比較的ボールを保持する時間が長くなり、奪った名古屋がロングカウンターをしかける流れが繰り返される。得点をとって少し落ち着いた名古屋が守備の重心を少し下げたこともあり、磐田が高い位置までボールを運ぶ回数が増える。

磐田は左サイドの高い位置で金子あたりがワンツーで抜け出しを図るような動きをしても、そこにボールを出さず、バックパスでフリーの選手に預けるプレー選択が多いように感じた。何度かは裏に走り込む金子を使っても良いように思う。

逆に右サイドは何度か裏を狙う鈴木雄斗にパスが出て、チャンスに近いシーンが生まれている。

しかし、どちらも得点を奪えず前半終了。

後半は立ち位置を入れ替え

後半は両チーム選手交代なしでスタート。

磐田は選手の配置を入れ替える。右のシャドーに金子、左シャドーに遠藤、山本康裕はダブルボランチの一角に入る。3バックの左右を入れ替えて、右に小川、左に山本義。

前半に遠藤がボールロストした時にカバーがかからず深い位置まで運ばれることが何度かあったのでカバーが入れる位置、かつ遠藤を高い位置で攻撃に関与させる狙いか。

前半開始当初は右サイドから複数人が絡んでゴール前に迫るシーンが生まれ、いい立ち上がりだが、決定機までは作れず。

57分、山本康、大津、遠藤がOUT。鹿沼直生、大森晃太郎、杉本健勇が入る。杉本が1トップ、大森が左シャドー、鹿沼はボランチに入る。

この辺りから磐田がパスミスでボールロストする場面がちらほら出てくる。勝てない試合が続く中、今日も先制点を奪われ、集中力が下がってきているか。

70分、名古屋の選手交代。重廣が下がり、仙頭啓也が入る。

チャレンジングなプレーを増やせ

74分右サイドで杉本、金子、鈴木のパス交換で名古屋守備陣の裏に攻め込む。ここは丸山のブロックに合うがこういったパスワークからのチャレンジを増やしていきたい。前半もパスが繋がる場面は多かったが、仕掛けのプレーが少なく、ボールを大事にするバックパスが多かった。

75分、名古屋は永井に代えてレオナルドが入る。磐田は金子に代えてファビゴン投入。

83分に上原を下げてジャーメイン良を投入。攻撃のカードを全て切る。

84分、森下のシュートを松本昌也のスーパーカバー。点を取りに行っているので、こういったカウンターにさらされる場面がでてくるのは仕方ないが、その分、前線の攻撃はもっと相手を慌てさせるチャレンジを繰り返したい。

89分、この日磐田の最大のチャンスシーン。左サイド低い位置から小川がファーに蹴り込むと杉本の折り返しを鈴木雄斗がボレーシュート。ランゲラックのセーブに合うが可能性を充分に感じさせるシーン。

90分、マテウスに代えて永木亮太が入る。守備のバランスを整えてフィニッシュを狙う。

ジャーメインが巧みなターンを使いながら縦にボールを入れてゴールに迫ろうとするが、名古屋の守備陣も密集していて思い通りにはプレーできず。

このまま試合終了。

やはり課題は攻撃のデザイン

最終ラインの選手たちは三浦と共に粘り強く戦ったと思う。もう何点か奪われてもおかしくないシーンはあったが、最小失点で凌いだので、課題は攻撃の部分になるだろう。

アタッキングサードに入ってからどう崩すかのイメージがチームとしても定まっていないようで、どうしても仕掛けのパスやドリブルよりバックパスでボール保持を選んでしまいがち。ここはシーズン通して続く課題。

パスを回しながら、いかに相手の守備崩すかだが、あれだけ相手の守備が人数揃っているとシュートを打つのも難しい。

今日の名古屋やFマリノス、川崎などは両サイドにスピードのある選手で縦に早く攻め込んで、守備陣形が整う前にゴール前に仕掛ける。

こういった攻め方が世界的にはトレンドになっているが、そうではないアプローチをする中でどうゴールへの流れをデザインするか。

例えば、杉本とファビゴンを前線に並べて4-4-2でサイドを起点にクロスをバンバン入れまくるでもいいし、右WGにジャーメイン、左WGに大森or古川でしっかり守って縦に早くカウンター狙うとかでもいいが、どんな形でゴールを奪うかのイメージを持ちたい。

次節はこの点でのチャレンジをもっと見たい。

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