スコア
0-2
得点者 –
順位:17位
勝ち点:22(5勝7分け12敗)
得失点差:-13(総得点:23、総失点:36)
出場メンバー(採点)
GK:梶川裕嗣(5)
DF:森岡陸(5)、伊藤槙人(4)、グラッサ(5)
アンカー:山本康裕(6)、
WB:小川大貴(4)、鈴木雄斗(5.5)
CH:黒川淳史(4.5)、上原力也(4.5)
CF:ジャーメイン良(5.5)、金子翔太(4.5)
交代出場:
松原后(5)、遠藤保仁(5)、杉本健勇(4.5)、
ファビゴン(4.5)、大津祐樹(-)
フォーメーション
前節の湘南に勝利したメンバーをベースに、変更点は出場停止だったリカルド・グラッサが左CBに戻ったのみ。今までの3-4-2-1ではなく、中盤を逆三角形にしてアンカーが山本、CHに黒川と上原が入る。
前節と同じく運動量を確保するスタメンで、同じく運動量に強みのある鳥栖に挑む。
序盤は磐田の守備がハマる
序盤は磐田の守備陣形がハマっていて鳥栖がボールを繋ぎにくそうにプレーする時間が続く。ジャーメイン、金子が鳥栖の最終ラインに、上原と黒川が鳥栖のボランチにそれぞれチェックをかけて、山本康裕が同サイドのFWとトップ下へのパスコースを切る。
山本は時として黒川、上原のマークがズレた鳥栖ボランチへのカバーも行う。磐田の最終ラインも押し上げて、山本の前進守備をカバーする。全体がコンパクトにいい距離感の陣形を敷けていることで、カバーリングが機能する。
ターニングポイント
しかし、早くもターニングポイントが訪れる。
12分、岩崎に最終ラインを抜け出されて梶川と1対1になる。黒川がGK朴までプレッシャーをかけたがかわされて、その後、マークがズレるのがジャーメインと小川大貴と2箇所で続いたことで、全体のマーキングがズレて、裏抜けする岩崎を捕まえられなくなって、そこにパスを繋がれてしまった。GKへのプレッシャーをかける時にはきちんとプレッシャーをかけれないと、このマーキングのズレを生むので注意したい。
この裏抜けを許した後から、磐田のプレッシング布陣の重心がやや後ろになり、鳥栖の選手がボール保持やパスの余裕が少し出てきて、序盤ほど磐田の守備がハマらなくなる。
やはり、裏抜けをきれいに決められてピンチを招くとそこから全体的に前めのポジショニングを取るのはすごく勇気が要るようになる。相手も裏抜けが打開策になることが分かったので、それを狙ってくるようになる。
21分に森岡陸が負傷交代。代わりに松原が入る。鈴木雄斗が最終ラインの右に入り、小川大貴が右WBに、松原はWBに入る。鈴木と小川のユーティリティ性が非常に助かる。
残留に向けての光明
36分にジャーメインのシュートシーン。金子がペナルティーエリア内で前向きにボールを持つ。ペナ内にはすでにグラッサ、ジャーメイン、上原、小川と入ってきている。鳥栖の守備も多く帰っていて、スペースがない中、金子が上原とのパス交換で深くに侵入していき、スクランブル状態のボールがジャーメインへ。ジャーメインが巧みなトラップでDFをかわして、シュート。朴が触ってコースを逸らされるがゴールになってもおかしくないいいシュートを打てた。
4連敗していた頃はこういった惜しいシュートを放つ場面もなかなか作れなかったが、前節から守備のバランスをとりつつ、こういった攻撃の面でもいい場面を作れるようになったのが残留に向けての光明に思える。
38分、FKから一度はクリアされるが右サイドで金子がボール回収し、ファーへクロス。松原が中央に折り返して、黒川がつめるが、ここはうまくシュートがミートせず、中野にゴールライン上でクリアされる。GKの朴もつり出して、シュートを打てたのでここは決めたいところだった。
均衡を破ったのは鳥栖
42分、鳥栖のチャンス。鳥栖の右サイドで松原と長沼の1対1で松原が交わされ、中央に早く低いクロス。伊藤がクリアできるポジションにいたが足がうまく当たらず、後ろでフリーの宮代に流れてこれを沈められる。
松原と長沼が1対1になる前に一度、鳥栖の左サイドを経由してから右サイドに運ばれたため、磐田の守備陣のスライドができておらず、長沼にかわされた松原のカバーにグラッサが間に合わなかった。また、このサイドチェンジで揺さぶられたことで、小川も伊藤とポジションが重なり、宮代のマークつけていなかった。
サイドチェンジで揺さぶることでチャンスを生み出せるというお手本のようなシーンを作られてしまった。
後半は頭から黒川に代えてファビゴンを投入。ジャーメインとファビゴンの2トップで、黒川の位置に金子が下がる。また小川大貴と鈴木雄斗のポジションも入れ替えている。
50分に広いスペースで岩崎にドリブル突破をしかけられ、小川と鈴木が応対するも抑えきれずシュートまで持ち込まれる。シュートは枠外に外れたが、岩崎のドリブルのキレは非常に危険。
ここから鳥栖に押し込まれる時間が続く。磐田もプレスをかけるが、鳥栖の選手のキープ力と周囲のサポートがよく、磐田の守備が後手後手に回る。
磐田がボールを奪っても鳥栖の守備の切り替えが早く、余裕を与えてもらえないため、繋ぎきれずボールを奪回される。また大きなクリアボールを蹴ってもセカンドボールを回収され、苦しい時間帯が続く。
2つ目のターニングポイント
66分にジャーメインから杉本健勇の交代。また、グラッサも負傷交代となり、遠藤保仁が入る。4バックにして遠藤、山本のダブルボランチ、右のワイドに上原、左ワイドに金子に入る。
結果的にはこのグラッサの負傷が2つ目のターニングポイントとなった。
68分に鳥栖は菊地と長沼が下がり、堀米勇輝と本田風智がIN。
ジャーメインの裏を狙うプレーから杉本が下がってきてボールを受けてくれる変化に加えて、パスの出し手であり、ボールの落ち着き所としとの遠藤が入ってことで、守備一辺倒の時間帯が終わり、磐田も攻撃が出来る場面が作れるようになる。
79分に上原を下げて、大津祐樹が入る。攻撃のギアを最大に上げる。
決められない磐田と決める鳥栖
83分に松原が左サイド突破からの中へのパスを受けて、杉本がバイタルやや左からファーへのシュート。巻くようなシュートはゴールの枠を捉えられない。
直後に宮代を下げて垣田裕輝が入る。84分に中央で受けた本田風智が左に流れながら、小川のマークを振り切り、縦に突破して中央へのクロス。垣田が合わせて2点目を決める。
本田のドリブルが素晴らしかったのもあるが、数的には優位だったので、これを決められてしまうのは厳しい。スクランブルで組んだであろう4バックなので、守備の連携が煮詰まっていない中に巧みな本田のドリブルと垣田のポジショニングにやられてしまった。
87分に鳥栖のベンチワーク。岩崎、小泉が下がり、藤田直之と西川潤がIN。
この後も長いボールを中心に鳥栖ゴールに迫る。しかし、ゴール前に放り込まれるボールがもう一つ合わずシュートができない、もしくは枠外に外れてしまう。
ゴール前とアタッキングサードでのクオリティで明確な差が出たことが勝敗を分けた。
磐田も決して勝つチャンスがなかったわけではないが、披露したパフォーマンスの質を考えると順当な結果となった印象。
清水が勝ったことで再び自動降格圏に転落したが、4連敗の頃よりも勝ち点に近づいているので、あきらめずに出てくる課題に取り組んでいくしかない。
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