【マッチレビュー】J1第21節 ジュビロ磐田vsヴィッセル神戸

サッカー

目次

  1. スコア
  2. 出場メンバー(採点)
  3. フォーメーション
  4. グラッサのスーパーカバーで試合開始
  5. イニエスタのハイクオリティ
  6. ゼロトップシステム
  7. 痛恨のPK
  8. 攻撃の質
  9. 早くも正念場

スコア

0-1
得点者  –

順位:18位
勝ち点:19(4勝7分け10敗)
得失点差:-10(総得点:22、総失点:32)

出場メンバー(採点)

GK:三浦龍騎(6)
DF:山本義道(5.5)、伊藤槙人(5.5)、グラッサ(6)
WB:鈴木雄斗(5.5)、小川大貴(5)
ボランチ:鹿沼直生(4.5)、遠藤保仁(5)
2シャドー:大森晃太郎(4)、松本昌也(5)
CF:ジャーメイン(4)

交代出場:
上原力也(4.5)、金子翔太(5)、吉長真優(4)、
杉本健勇(-)

フォーメーション

グラッサのスーパーカバーで試合開始

8分に裏に抜け出した武藤に繋がり、GK三浦もかわされて絶対絶命のところをグラッサがスーパーカバリング。

グラッサのスーパープレイだったが、イニエスタと武藤はやはりレベルが高く、スペースと時間を与えたくない。

11分もカウンターを受けて、裏に抜け出した武藤のシュートを受ける。ここは三浦がセーブ。

神戸はやや武藤が孤立しやすく、そこにいいタイミングで連携できる選手がいない。これは磐田と類似の傾向。順位が思わしくないチームはどうしてもこういった部分のバランスがうまくとれない。

14分にまたも左サイド裏に抜け出した武藤が中央に走り込んだ山口に低いクロス。山口はゴールネットを揺らすが、ここは武藤のところでオフサイド。ここは助かった。

イニエスタのハイクオリティ

イニエスタのパスのレベルが高く、生半可なプレスでは決定的なパスを出す仕事をされてしまう。

これ以降、神戸がボール保持する時間が増えてくる。サイドを起点にクロスをゴール前に送り込むがあと一歩のこころでゴールにならない。

前半は神戸が狙い通りのサッカーを展開していた。
磐田としてはあまり多くのチャンスを作れなかった。

後半、ジャーメインを下げて上原力也を入れる。大森をトップに配置したゼロトップシステムで打開を図る。

神戸はイニエスタが中盤の広い範囲にポジション取りしてパスワークの起点になり、展開していく。

イニエスタはちょっとしたボールタッチや身体の向きをフェイントにして自分のプレーエリアやパスコースを作り出す。さすがのクオリティ。

ゼロトップシステム

59分に鹿沼を下げて金子翔太投入。

62分には自陣右サイドの深い位置から金子が受けて、降りてきた大森に繋ぐ。大森はツータッチで遠藤に落とし中央の上原に展開。上原は左サイドに開いた松本へ繋ぎ、サイドチェンジしつつアタッキングサードに侵入。この間、金子、大森、鈴木がペナルティエリアに入り、松本のクロスを待ち構える。最終的にはファーの鈴木めがけたクロスが送られるがGK飯倉にかき出される。ゼロトップシステムが機能したいいシーン。

63分に神戸が選手交代。イニエスタと小田が下がり、大迫勇也と佐々木大樹がIN。ここまで、神戸の攻撃を組み立てていたイニエスタが下がることで、神戸のサッカーは大きく変わるはず。

武藤とは明らかにタイプの違う大迫がCFに入り、中央で勝負する大迫のフィニッシュワークには注意しなければならない。

69分には大迫が後方からの長めのボールを収めて展開、左サイドからペナルティエリアに進撃してきた汰木のシュートを受けるが、ここもグラッサが最後までボールをよく見て身体を当ててコーナーに逃れる。

73分磐田は松本昌也に変えて、吉長真優を入れる。鈴木雄斗が左サイドに回り、右サイドに吉長が入る。

痛恨のPK

76分痛恨のPKを神戸に与えてしまう。大森がキープしてたところを佐々木に突っつかれて奪われてカウンター。ペナルティエリアに侵入した武藤に繋がれ、応対したグラッサが武藤を倒してしまう。

グラッサも無理にチャレンジに行ったというより、少し体勢が崩れ気味だったことで、思いがけず倒してしまったというところだろう。

大迫がPKを沈めて1-0。グラッサはここまで少なくとも2失点を防いでいたし、奪われ方も悪かったので、攻められないだろう。

77分、2度目のPK。左サイドからドリブルでペナルティエリアに侵入してきた武藤を山本義が手で倒したという判定か。山本は確かに手を出してしまったが、倒れる程の力が加わっていたようには見えなかった。

ただし、VARの介入でファウルの位置がペナルティエリアの外と訂正されFKとなり、ピンチを凌ぐ。

判定が微妙なのは置いておいて、金子と遠藤の2人が武藤に寄せていて間を割られて突破されるのはいただけない。2人とも守備が得意な選手ではないが守備の質は見直しておきたい。

攻撃の質

81分に磐田は大森を下げて、杉本健勇を入れる。神戸は84分に汰木OUTで郷家友太IN。試合は最終盤へ。

86分、左サイドからクロスを入れようとしたボールが相手に引っかかり、神戸のカウンター。伊藤槙人が武藤を倒してイエローカードを受ける。これで伊藤は累積警告で次節出場停止。

伊藤のアプローチの仕方を見るとここも少しバランスを崩したような難しいチェックになっている。この日は激しい雨が降り続いていたので、スリッピーな足元の影響か、疲労の影響か。

PKになったシーンもそうだが、この日は奪われ方の悪いシーンが多々見られ、カウンターを受けてDFラインの選手に負担がかかっていた。アタッカー陣の攻撃の質の面が試合を分けたと言えるかもしれない。

早くも正念場

福岡、神戸と残留に向けたライバルに2連敗となった。順位的な面よりも内容でも厳しいものだったことが、残念。前節の福岡戦は五分五分の試合でどちらが勝ってもおかしくないと思えたが、神戸戦はスコア・内容共に神戸の勝利だった。

大きいのは先述のアタッカーの攻撃の質。単純にゴールを奪える奪えないの前にいかに自分たちがボールを保持して相手の嫌がるボール回しができるか。

ゴールを奪えなくても、相手を自陣に押し込む攻めや相手が守備でのタスクを多くこなして精神的にも体力的にも疲労させるような時間をどれだけ作れるかで、自分達が攻守で優位に試合を進められる可能性が高くなる。神戸戦では神戸の方がそういった時間を多く作れていた。

現状、山田大記、大津祐樹の昨シーズンのレギュラークラスが離脱中。さらに調子の上がってきてファビゴンも離脱。

一方で今シーズンの新戦力が大きなインパクトを残せていない状況のため、昨シーズンより戦力的に厳しい状況に陥っている。

杉本、ジャーメイン、黒川、袴田、ドゥドゥ、グラッサ、古川。これら新戦力のうち明らかに戦力アップになっているのはグラッサくらい。杉本、ジャーメインも試合に絡めてはいるものの、大幅な戦力アップに繋がっているとは言いにくい。

杉本、ジャーメインがなかなかゴール数が増えていかないのは彼らだけのせいではなく、彼らにいい形でチャンスシーンを供給できないチーム全体の問題ではあるが。

この夏の移籍ウィンドウでの補強が明らかに必要となっている。残留に向けて、このままチーム状態を下降させず、上昇させないと手遅れになる。早くもチームは正念場を迎えている。

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