【マッチレビュー】J1第12節 セレッソ大阪vsジュビロ磐田 

サッカー

スコア

2-1  負け
得点者  ファビアン・ゴンザレス

順位:暫定15位
勝ち点:11(2勝5分け5敗)
得失点差:-5(総得点:15、総失点:20)

出場メンバー(採点)

GK:アレクセイ・コシェレフ(5.5)
DF:山本義道(4)、伊藤槙人(4)、大井健太郎(4)
WB:鈴木雄斗(4.5)、松本昌也(4.5)
ボランチ:山本康裕(5.5)、遠藤保仁(5.5)
2シャドー:金子翔太(4)、ジャーメイン良(5.5)
CF:大津祐樹(5.5)

交代出場:
ファビアン・ゴンザレス(6.5)、大森晃太郎(6)、
小川大貴(-)、吉長(6.5)、リカルド・グラッサ(-)

フォーメーション

GWの連戦を考慮したようで、磐田は前節のスタメンから5人入れ替え。3バックの左にグラッサに代わって大井健太郎、右に山本義道。ボランチに上原力也に代わって山本康裕が入る。前線には杉本健勇に代わって大津祐樹、2シャドーはジャーメイン良と金子翔太が務める。左WBは松本昌也が入って、小川大貴はベンチスタート。

前節、上田綾世の代表クラスの個人技に屈した伊藤槙人はこの日もスタメンで引き続きCBの中央を務める。あの経験を糧にするかどうかは今後のパフォーマンスが決めるので、頑張ってほしい。

前半はC大阪の技術力が発揮される

立ち上がりからC大阪の各選手のライン間のポジション取りとボール扱いの巧さが発揮され、試合を支配される。

磐田はこれまでのスタメンと大きく並びを変えたことも手伝ってか、守備時でも選手間の距離がコンパクトになりきれず、C大阪の選手たちにプレースペースを与えてしまった印象。

C大阪の選手たちはそこを見逃さずに適切にスペースを使い少ないタッチでパスを繋いでいく。磐田の選手たちは守備アプローチが後手後手になり、相手を捕まえられない。

26分には完全に崩され、コシェレフの飛び出しも交わされ原川がシュートするが、ここはなんとか大井がラインぎわでシュートブロックする。

磐田が低い位置でボールを奪ってもC大阪は連動した前線からのプレスで即座奪回を狙ってきて、なんとかそれを交わして前に運んでもパスが乱れて最終的には相手の選手に回収されてしまう。

磐田は耐える時間がかなり長く続く。

耐えきれずに2失点

なんとかギリギリで耐えていたが、31分、毎熊のヘッドでついに失点。CKの流れから清武が右サイド寄りの位置からファーサイドのヨニッチへロングパス。ヨニッチがバックヘッドで西尾に繋ぐ。それが磐田のサイド奥を抉る形になり、そこからまたファーサイドへ西尾がダイレクトに折り返すと毎熊がフリーでヘッドでゴールに叩き込む。ここまで逆サイドへ逆サイドへと揺さぶられるとどうしてもボールに注意を取られて敵のマークを捕まえずらい。

39分には毎熊に追加点を許す。直前のシーンで高い位置から大津やジャーメインがボールを奪いにいくが、全体の連動性が低くて、プレスの厚みがなく前線のプレスが空転してしまい、ブルーノ・メンデスに繋げられてしまう。

ここで大井がメンデスを止めきれずにペナルティエリアまで運ばれる。ゴール前に送られたボールは誰も触れずに流れるが、上がってきた清武がダイレクトで毎熊に合わせて、 毎熊が大井のカバーも外してのシュートを決める。

このシーン数的には同数だったが、結果的にまたも揺さぶられてマークを掴みきれず失点してしまう。

1点目も2点目も相手の技術力の高さを抑えられなかったのは、この時間帯までプレスがかからず、相手に気持ちよくプレイさせてしまったこともあると思う。C大阪に彼ら本来の技術力を発揮されてしまった。

お家芸になってきた後半の逆襲

後半は頭からファビアン・ゴンザレスと大森晃太郎を投入。金子翔太と大井健太郎を下げる。4-4-2にしてファビゴンと大津の2トップに、右サイドにジャーメイン、左サイドに大森、ダブルボランチは遠藤と山本康裕、右SBを鈴木雄斗、左SBを松本昌也、CBは伊藤槙人と山本義道が務める。

磐田はDFラインの裏を狙う動きを増やすことで、DFラインを下げさせ、C大阪の中盤と最終ラインの間にスペースを開けさせる。これで、磐田の選手のプレースペース作れるようになる。

また、逆サイドに必ず一人待つようにして、サイドに相手を寄せたらサイドチェンジを入れて相手を揺さぶることで、相手ゴールに迫れる数が増えてくる。

C大阪は前半、気持ちよくプレイできすぎてスタミナを消耗したのか、2点のリードで少し引いて守る意識が働いたか、磐田の圧力を受ける形になり、試合展開はきれいにひっくり返った。

60分にカウンターでファビゴンが抜け出すが、松原にスライディングでCKに逃げられる。ファビゴンはここはなんとかシュートしてもらいたかった。

C大阪はパトリッキ、毎熊、清武を下げて為田、中原、山田を投入。前半に苦しめられたメンバーがこぞって下がり、楽になるかとおもったがそう簡単にはいかず。

64分右サイドから中原に攻め込まれてシュートを許すがコシェレフがファインセーブ。中原のドリブルからのシュートはかなり巧みだったので、コシェレフはグットセーブだった。後から出てきたC大阪の若手も脅威。

65分、ブルーノ・メンデスが負傷したようで、アダム・タガートと交代。磐田もジャーメインを小川大貴と交代。この小川が右SBに入り、鈴木雄斗が一列ポジションを上げる。

両チームスタメンと顔ぶれがかなり変わり、第2ラウンド開始となる。

65分以降のフォーメーション

C大阪は選手交代により、前からのプレスが復活。後半の流れを引き寄せた磐田の勢いを抑えにかかる。

勝負の妙 VARの介入

その気持ちが裏目に出たか、70分に為田が小川大貴にスパイクの裏で接触。最初は為田にはイエローカードが出たが、VARが入った結果、レッドカードに変わる。

こういうVARの入り方は初めて見たが、よいジャッジだと思う。危険なファウルはVARで退場になり得るというのが広まれば、そういったプレイが減っていって選手のケガも防げると思うので。

実際、このプレイで小川は負傷交代。入ったばかりだったので、非常に残念。長い怪我にならないといいが。代わって吉長真優が入る。鈴木雄斗が右SBに戻り、吉長が右ワイドに入る。

吉長投入で更に攻勢をかけ1点を返す

吉長の高い攻撃意識がいい形で影響を与えて、投入から複数回攻撃に絡む。ポジション取りがかなり高い位置になっており、数的優位も相まって相手に圧力をかける。

78分、左サイドから大きくサイドチェンジしてゴールエリアにいた吉長が胸トラップで中央の大津に落とす。大津はマークについていたヨニッチからボールをスクリーンしたところ、そのまま後ろにいたファビゴンまで流れる。ファビゴンが狙いすましたシュートでゴール右下隅に沈める。

これでファビゴンは2試合連続のゴール。プレイ時間も伸びていて、非常に良い調子。

89分に松本昌也を下げてリカルド・グラッサを投入。時間がない中でパワープレイ気味にゴール前に放り込む事も増えてきたので、左足でインスウィングでのクロスを増やしたかったのかも。松本昌也も体力的にキツくなってきて、精度も落ちてくる頃なので。

予想外の長期戦

90分にゴール前に放り込んだボールをジャンプしてキャッチしたキム・ジンヒョンに大津が接触してしまい、長時間ゲームがストップ。ジンヒョンは負傷交代となり、清水圭介が入る。

C大阪は交代枠を使い切っていたが、脳震盪による交代(肩を痛そうにしてたが?)という判定で6人目の交代が認められた。

この交代の絡みでかなりの時間、試合が止まった結果、最終的に102分まで試合が続いた。

鈴木雄斗の決定的なヘッドなど同点に届く可能性も作ったものの追いつけないまま試合終了。

繰り返されるスタメンでの劣勢

この試合もスタメンの時間で相手に圧倒されてビハインドを負い、後半は選手交代とフォーメーション変更で流れを掴むというのは磐田の最近のパターンになっている。

名古屋戦のように逆転できる時もあれば、鹿島戦やこのC大阪戦のように1点返すが追いつくまではいけないこともある。

正直、サッカーでビハインドを跳ね返すのは簡単ではないので、1点を返せているのは素晴らしいが、ビハインドが2点あるとなかなか逆転は難しい。良くても同点が精一杯だろう。

試合の最初から後半のように2トップで攻めていっては?と思いたくなるが、ああいった形で前体重な攻勢のまま1試合を突っ切るのは体力的に厳しいだろう。また、前体重での試合展開でスコーンとカウンターで失点するリスクもあるし、そもそも前半での相手の出方を見て打開策としての布陣で逆襲していると思われ、相手の出方がわからないスタートから繰り出すのも難しい。

なので、最初は慎重にバランス重視で現行のスタメンで行くのは理解できるが、どうもこのスタメンのセットで圧倒され過ぎているのが、ここ数試合の気になる点。

慎重に入っているはずなのに複数失点しているのが試合を難しくしている。このパターンで戦う場合はいかに前半で失点を防ぐかがポイントになる。

連敗で暫定15位まで順位を下げた。まだ、勝ち点差は広がっていないものの、今、磐田より下の順位にいる3チームのうち、浦和と神戸はACLの都合で2試合未消化。下位のチームより上のチームとの勝ち点差が近いので、なんとか上の集団について行きたい。

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