【マッチレビュー】J1第11節 鹿島アントラーズvsジュビロ磐田 

サッカー

スコア

3-1  負け
得点者  ファビアン・ゴンザレス

順位:14位
勝ち点:11(2勝5分け4敗)
得失点差:-4(総得点:14、総失点:18)

出場メンバー(採点)

GK:アレクセイ・コシェレフ(5.5)
DF:山本義道(4.5)、伊藤槙人(4)、リカルド・グラッサ(4.5)
WB:鈴木雄斗(5)、小川大貴(4.5)
ボランチ:上原力也(5.5)、遠藤保仁(5.5)
2シャドー:松本昌也(4.5)、大森晃太郎(5.5)
CF:杉本健勇(4)

交代出場:
大津祐樹(6)、ファビアン・ゴンザレス(6.5)、
ジャーメイン良(5.5)、山本康裕(5.5)、金子翔太(-)

フォーメーション

前半は鹿島の試合

序盤は磐田のWB裏をうまく使われて、そこから鹿島のアタッキングサードまで抉られて何度かチャンスを作られる。鹿島はコンパクトな守備陣形を敷くのが早く、その状況で中央からの突破は困難。

さらにコンパクトな陣形を保ちつつ、必ずボールホルダーには誰かが素早くチェックをかけて、周囲もそれに連動するポジショニングができている。鹿島はこれが前半持続できていたことで、磐田はほぼチャンスらしいチャンスが作れなかった。

鈴木優磨が結構、下りてきてボールを受けてビルドアップに関与する。コンパクトな陣形を保ちつつ、上田綾世や松村、あるいはカイキがトップの位置で待つので、それでも前線が手薄になることも少ない。

鹿島は奪われた後のプレスバックも早く、磐田は奪った後、早くボールを動かさないとすぐにチャンスの芽を摘まれてしまう。

前半で2失点

28分にコーナーキックをカイキに合わされて失点。コシェレフも反応できていたが、叩きつけるようなヘッドで処理しにくく弾き出しきれなかった。

ゾーンで守っていたところで最後は伊藤槙人がカイキにつく形になったが、競り合えずにカイキのヘッドを許してしまった。伊藤は目の前のグラッサがクリアしてくれると思ったのか、落下地点に自分が入っているので、敵にヘッドされないと思ったのか、ジャンプもしていなかったので、ここで少しでも競り合ってカイキの自由を奪えていれば、精度を下げて失点を防げたかもしれないので、ノーアクションだったのはもったいなかった。

34分追加点を許すが、DFとMFの中間に下りた鈴木優磨が裏に抜ける上田に合わされた。伊藤槙人が上田にオフサイドトラップを仕掛けたが、フラッグは上がらず。かなり際どい場面だったので、取られなくても理解できるくらい微妙な並びだった。

上田綾世のストライカー能力

ポイントはもう一つ、上田綾世のドリブルコース。上田は抜け出した後に斜めにボール持ち出して、伊藤を背中に置くようなドリブルコースをチョイス。ペナルティエリア内だったので、ファウルを恐れて伊東は強く当たれず、完全に入れ替わられて無力化された。このコースを取れる上田のストライカー能力の高さが示された場面。

伊藤は取れる選択肢は限られていたが、伊藤も左斜め前に走ることで、完全に上田と入れ替わられないようにしてじっくり対応すれば、コシェレフとの連携で失点を防げる可能性を上げられたかもしれないので、ここは上田との駆け引きで上回られてしまった結果になった。

後半流れを手繰り寄せる磐田

後半は頭からファビゴンと大津を投入。杉本健勇と松本昌也が下がる。ファビゴンと大津の2トップにする。前半、鹿島の守備が固かったのもあるが、杉本が孤立して攻撃はほぼできなかった点を改善させる。

46分早くも効果が出て、右サイドの鈴木雄斗がクロスを上げて、ファビゴンが落として大津のボレーが出る。DFにブロックされたが、前半ほとんどシュートが打てなかったのでまずはよいプレー。

ファビゴンもプレータイムが増えてきたのと結果も出始めたこともあってか、連携も徐々に出来始めた。ファビゴン、大津共に自分で前にドリブルでチャレンジできるので、それが前節や前々節も相手に脅威を与えていたが、今節も同様の状況を作れていた。

前半は鹿島はほぼ思い通りに守れていたと思うのでこの序盤のファビゴン、大津の圧力はリズムを乱されただろう。

シンプルにロングボールを前線に蹴ってファビゴンに追わせるプレーも織り交ぜることで、鹿島の最終ラインがやや深くなり、前半コンパクトだった鹿島の陣形が広がり始める。これで攻守で磐田が圧倒され続ける流れを断ち、ある程度ボールを磐田が持てるようになる。

持ってるファビゴン

66分にジャーメイン良と山本康裕を投入。山本義道と上原力也を下げる。鈴木雄斗と小川大貴をSBにして4バックにする。遠藤保仁と山本康裕の2ボランチで右のワイドにジャーメイン、左のワイドに大森の4-4-2に布陣変更。

71分にコーナーキックをショートで山本康裕に繋ぎ、大外へのクロスがファビゴンに頭に合って1点を返す。ふわりとGKを超えるような難易度の高いゴールだった。やはり最近のファビゴンは持ってる。

失点直後に鹿島はファン・アラーノとピトゥカがIN。鈴木優磨と和泉が下がる。全体が間伸びして個人対個人の局面が増えてきたので、個人能力の高い選手を入れる意図か。

上田とアラーノにトドメを刺される

いい流れを掴んでいた磐田だが、上田綾世に希望を打ち砕かれる。

中央でボールを受けた上田が左にボールを持ち出すが、ここでアラーノが入れ替わるように中央へ移動する。アラーノをマークしていた鈴木雄斗も中央に引き付けられて、上田のプレースペースが作られる。

さらにアラーノは上田についていった伊藤をさりげなくブロックする。ブロックとも言えないくらいの軽いランニングコースを邪魔するような立ち位置を取ったことで、伊藤の追跡が遅れ、上田のシュートチャンスが生まれた。

このシーンで左上隅にシュートを飛ばした上田綾世の個人技も凄かったが、アラーノの影のアシストも光ったシーン。苦しい時にこういうゴールを取ってくれる選手がいると心強い。

勝負を分ける球際の粘り

90分にファビゴンが関川に後ろから倒されたかもなシーンがあったが、正直ファウル取られなくても仕方ないくらいの接触だった。

このシーンはファウルかどうかよりも、関川がなんとか最後まで失点の可能性を下げるプレーを続けていたところがポイントだった。試合を通じて鹿島は守備時のボールへのプレッシャーも特に前半は撤退していた。磐田の攻撃シーンで常にこういうプレーを続けられていたのが今、鹿島が首位にいる理由の一つだろう。

逆に磐田は1失点目の伊藤がカイキに何もできなかったのが象徴的。

磐田は今節も前半苦しい展開から、選手や陣形の入れ替えで、流れを手繰り寄せて1点返すことができたし、3点目を取られるまでは流れを掴めていた。これを首位のチーム相手にもできたのはプラスに捉えて良いと思う。

逆にスタートのフォーメーションでの時間で相手に上回られる事が多く、ここを何とかしたい。

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