2024 J1 第22節 ジュビロ磐田vs川崎フロンターレ/川崎の圧倒的なボール支配も奇跡の勝ち点1

サッカー

順位

16位 6勝6分10敗 勝ち点24

29得点33失点 得失点差-4

スタメン

前節は浦和に力負けしたが、そのスタメンから左サイドの平川怜を金子翔太に変更。

前半から川崎に支配される

前半から川崎がボールを支配する時間が長くなる。川崎は磐田の守備の4-4のコンパクトな2ラインの外や選手間のスペースを使って崩しにかかる。

2ラインの外を使われると磐田の守備陣が広げられ、広がったことでできる選手間のスペースに立つ選手にパスを入れられて中央に侵入される。

川崎は今シーズンかなり苦しんでいて今日の試合もかつて優勝争いの常連だった頃と比べると縦パスを入れる回数やパススピードは落ちていたが、それでもさすがの川崎のパス回しで磐田の守備を揺さぶる。

磐田は守備の時間が長くても安定した守備をベースに試合コントロールできることも増えてきたが、今日の川崎には明らかに揺さぶられていて、守ることで精一杯な状況だった。

先制点は磐田のエースが奪う

厳しい試合になるかと思ったが意外にも先制点は磐田が奪う。

20分に金子がシュートを狙うと目の前にいた大南のブロックに合い、こぼれたボールがジャメの足元へ。トラップはやや流れたが身体を投げ出しながらのシュートを決めて見せる。さすがエースといったゴールだった。

この後は磐田の選手たちに気持ちの余裕もできたのか守備が安定。また、今日はペイショットとジャメの連携がよく、ペイショットがワンタッチで落としたボールをジャメが受ける場面がたびたび見られ攻撃の起点となっていた。

このまま1-0を守り切って前半を終える。

後半はさらなる川崎ペースへ

後半は川崎が大島を橘田健人と交代させ、再開。引き続き川崎がボールを支配する展開が続く。

50分に磐田のバイタルスペースが空いたところを見逃さず、川崎の縦パスが入る。

川崎のボランチ瀬古がDFラインの高さでボールを受けてドリブル開始。松本は左SBの佐々木が開いたところに釣られて、佐々木の中へのドリブルを許す。佐々木のチェックに前に出た上原を見て瀬古はもう1人のボランチ橘田は繋ぐとここにはゴメスがチェックに前に出る。これでバイタルにスペースができ、橘田からの縦パスを受けた小林悠にバイタルで前を向かれる。

ここは一瞬、磐田の守備の寄せが遅くなったのを突かれた。ジャメが瀬古か橘田どちらかにもっと早く寄せられれば上原とゴメスの両ボランチがバイタルを空けなくて済んだかもしれない。

この後はダイアゴナルに入ってきた遠野に小林からパスを繋がれ、川島と1対1に。これをきっちり決められて同点となる。

54分、川島が負傷したようで控えの杉本光希と交代する。嫌な流れの中でさらに不穏な展開。

ここから勢いに乗った川崎相手にサンドバッグ状態となる磐田。磐田はボール奪って前に繋げようとするが、ボールホルダーの状態が悪く、すぐに奪い返されて川崎の攻撃が繰り返される。

夏場の消耗が見え始める

62分に磐田は松本と金子が下がり、古川陽介とブルーノ・ジョゼがIN。川崎も66分、小林とマルシーニョが下がり山田新、山内日向汰が入る。

70分過ぎから両チーム、プレイスピードや動きの量が減っていき、パスミスも出始めていく。夏に入って暑さも厳しくなってきた影響か。途中から入ったフレッシュな選手の活躍が勝敗を左右するかもしれない。

川崎はさらに74分に遠野に代えて家長昭博を投入する。

相変わらず川崎のキープが続く。押し込まれ続けた結果、80分に勝ち越しゴールを奪われる。

川崎のCKをショートコーナーで始めるが磐田はチェックが遅れてパスをバイタル付近に繋がれる。瀬古が打ったシュートは古川がブロックするが、それを拾った橘田が低く早いシュートを放つと守備の隙間を抜けてゴールに突き刺さる。

杉本も反応はしたがDFの隙間から急に出てきたので外にかき出すまでには至らなかった。

この後も川崎にボールを握られ続けて防戦一方の展開が続く。せっかく投入した古川、ジョゼが攻撃面でのプレイ時間がほとんど作れない。

84分に上原を下げて山田大記を投入する。

87分、ジョゼが個人の頑張りで3人に囲まれながらも右サイドを突破してクロスを上げる。ここは得点には至らなかったがジョゼはいつも全力プレイでチームを助けようとしてくれる。

ロスタイムに奇跡が

ロスタイム5分。

91分に奇跡の同点弾が生まれる。鈴木海音が頭でクリアしたボールをジャメが胸トラップしてドリブル突破をしかける。最終ラインを抜けてシュートを放とうとしたところを川崎DFに先に触られて、ソンリョンへパスされる。

そこでなんとソンリョンが足を滑らせて転倒。あきらめずに走り込んでいた山田がボールを拾って無人のゴールに蹴り込む。

敗色濃厚だった試合展開だったが個の力が得点を引き寄せた。

試合はこのまま2-2で終了。

奇跡の勝ち点1

先制点を奪ってクリーンシートで折り返せたが、後半は一時逆転されたのは反省点。特に奪ったボールを全く前に運べないことですぐに奪い返されて川崎にボールを握られ続けた展開は改善が必要。ああいった状況の打開策を練り直さないと勝ち点は奪えない。

それでも後半、状況をなんとかしようと気を吐いたジョゼやジャメ、山田などがチームを救ったのは素晴らしかった。どんな形でもゴールはゴール。2点目を取れたことで奇跡の勝ち点1をもぎ取った。

これから夏に入って、今日のように終盤体力的に厳しくなるケースはまた出てくるだろう。攻撃の選手が個人でも打開する気持ちを持てているのはチームの支えになるはず。

連敗は防いだが、一つ下の17位サガン鳥栖が勝利して勝ち点23の1ポイント差に寄せてきた。

そして、次節は残留争いのライバルの暫定17位湘南が相手。湘南は今日の試合、浦和に勝って勝ち点を19に積み上げた。本格的に残留争いを意識して厳しい夏になりそうだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました