クルークスが電光石火の先制弾を決める
横浜FMはエウベル、ヤン・マテウスの両WGが速攻もできるし、そこにSBのサポートも加わると分厚い攻撃を繰り出してくる。対する磐田はグラッサ、伊藤槙人、植村洋人の3バックに両WBが松本昌也と松原后で応対する。
立ち上がり5分に素晴らしいショートカウンターで先制点を奪う。
ハーフライン付近で渡邊りょうと松原后が前からプレス。これでマリノスにパスミスが生まれ、拾った松原が中央のジャメへ。ジャメの両脇を追い越す形で上がっていった渡邊、クルークスへとパスが繋がり、クルークスが飯倉の右脇の下を通すシュートを決める。
3バック+2WBでマリノスの両WGによる速攻を出させず、遅行にさせて相手SBを釣り出す中でボールを奪うとカウンターのスペースを得られる。狙った形での先制点だったろう。
この後もマリノスのWGに速攻を出させず、じりじりとした展開が続く。
マリノスは横の揺さぶりで磐田を追い詰め始める
20分にショートコーナーから松原健のヘッドを許し、バー直撃の攻撃を受ける。この辺りからマリノスの厚みのある攻撃で押し込まれ始め、決定機を作られていく。
22分には左サイド深い位置まで侵入されてから中央バイタル付近にミドルシュートを川島が弾いたところをアンデルソン・ロペスに詰められてゴールを割られる。
しかしここはロペスのオフサイドで取り消される。前節に続いてVARに救われる。
縦のスピードではなく、横へのパススピードで揺さぶられて守備を崩され始めたため、守備時の横スライドやボールホルダーへの寄せの徹底に注意が必要。
前節から攻撃時に松本の早い上がりがクルークスを孤立せず、いいサポートができているのが攻撃力のアップに繋がっている。松本のサポートのおかげでクルークスが相手ゴールに近い位置で攻撃のトライ回数が増えている。
ただ、攻撃のトライ回数はマリノスも増えてきて、34分裏抜けからのロペスのシュートはオフサイド、35分ロペスのシュートがバーに跳ね返ったところを西村がヘッドするも枠外と危険なシーンが増えていく。
磐田はゴール前に人数をかけてなんとか凌ぐが、意図した守り方にはできておらず、前半の終盤は完全にリズムをマリノスに握られる。
マリノスが磐田の寄せになれてきて、ボール回しに余裕が出てきている。磐田の選手はもう少し、ボールホルダーに激しく寄せたいが不用意に飛び込むと入れ替わられるリスクもある。
激しく寄せるにはボールホルダーの自由を制限するような追い込みをグループ戦術としての守備が構築できていないからであり、これはシーズン通して解決できなかった部分なので簡単な修正で同行できる問題ではない。
ついに決壊する磐田の防御壁
耐え忍んでいたがついに48分にこじ開けられる。永戸がバイタルエリアから狭いパスコースを突いてロペスにつなぐと、これをロペスに決められてしまう。
完全に押し込まれて奪ってもすぐに回収されてしまっていたので、ゴールを奪われるのも時間の問題といった感じだったので流れを変えられなかった以上、致し方なし。ハーフタイムまで逃げ切れれば御の字だったのだが。
1-1で前半終了。前半の終盤は押し込まれたがそれでもタイスコアなので勝負は後半。
しかし、後半立ち上がりに逆転ゴールを奪われる。46分に左サイド深くまで侵入され、ゴール前に早くて低いボールを永戸が送るとゴール前にマリノスの選手が複数人入り込むと最後は西村が押し込む。
引き続き、横に早いボールで崩された形。対策を取れないまま失点したのは残念だった。
54分に磐田は反撃のフォーメーションへ変更。松本と中村を下げて、山田大記とマテウス・ペイショットを投入。
攻撃時には4-1-4-1のような形としてペイショットの1トップに2列目は右からクルークス、ジャメ、山田、渡邊。レオ・ゴメスをアンカーに配置する。
マリノスは60分に西村を下げて、植中朝日が入る。
63分にショートコーナーから3失点目。中央に送られたボールをロペスがトラップして混戦の中からゴールに流し込まれる。磐田としては人数もいたのでまたも残念な失点。
65分にゴメスと渡邊を下げて、平川怜と高畑奎汰を入れる。
反撃したかった磐田を尻目に70分に4点目を奪われる。何気ない斜めの縦パスをロペスに繋がれ、ループ気味に川島を交わされてゴール。
局面局面での寄せがどうしても甘く、マリノスの選手の技術力を発揮させてしまう。
遅すぎた反撃
82分に磐田は2点目を奪う。左サイドに上がってきた松原のクロスに山田、ペイショット、ジャメが反応。最後はジャメが収めてシュート。ボールはポストを叩いてゴールに収まる。
攻撃にシフトすれば得点する能力はあるのでここまでで失点を続けてしまったのが悔やまれる。果たしてあと3点を奪えるか。
85分にマリノスはマテウスと渡辺を下げて、井上健太と水沼宏太が入る。磐田は松原を下げて藤川虎太郎を入れる。
前に人数をかけることで攻撃回数を増やしていく磐田だが、時間は刻一刻と進んでいく。
92分にロングボールをペイショットが収めて上がってきた藤川へ。藤川のクロスをジャメがヘッドで沈める。
残りは2分。
奇跡は起こるか?
ロングボールのターゲットにはペイショット、ジャメ、山田と人数をかけることでボールが収まり、攻撃回数は増える。ここはもう戦術や戦略ではなく、個々のひらめきや粘りでの勝負になりそう。
94分にはマリノスも逆襲。ゴール前で低いクロスにロペスが合わせたがポストを叩く。
このまま3-4で試合終了。
残留が遠い彼方へ遠のく敗戦
これで残り2試合となり、残留争いのライバルである柏とは勝ち点5差、新潟とは6差。実質、2連勝して柏が2連敗しない限り残留は不可能。
残留の可能性はかなり低くなってしまった。可能性がある限り、あきらめるべきではないが奇跡を引き寄せたいなら今日の3、4点目のような失点はしてはいけない。
今日も3得点取るなどやはり力のないチームではないが、残り2試合では奇跡に値する試合を90分続けないといけない。
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